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脚立の上の王様

主に脚立の上に存在します。舞台照明家のはしくれとしてエンタメ業界の底辺の端っこをちょっとだけ支えています。ふらっと海に出たり旅立ったりします。

クラウドファンディングのCAMPFIREが手数料を大幅に引き下げたけど

日本におけるクラウドファンディングの草分け的存在、CAMPFIREが手数料を20%から5%に大幅に引き下げました。
また掲載プロジェクトの審査基準の見直し、目標金額に達成しなくても資金を受け取ることができる「All-In」の仕組みを採用することも同時に発表されました。

 

thebridge.jp

 

シェアしている記事の中では代表の家入さんに取材した
「もっと小さな個人の活動を支援したい」
「正直このままだとCAMPFIRE自体も、そしてクラウドファンディングという仕組みも浸透しないまま、縮小していくのではないかと個人的に危惧しています」
というコメントが紹介されています。

日本におけるクラウドファンディングという枠組みへの危機感はとても共感できるものがありますし、小さな個人へのまなざしも家入さんらしいとは思います。

一時、社会的に注目されて多くのクラウドファンディングのプラットフォームが設立されましたが、それはどちらかというとユーザーを食い合う状態なのではないかと感じていました。
現状はプラットフォームの集客力よりもプロジェクト実施者の個人的な人脈の方がお金を集めるのに有効で、社会全体から賛同者を募り、薄く広く資金を集めるというクラウドファンディングの理想からは遠い状態になっているのではと思っていました。

それぞれのクラウドファンディングのプラットフォームが独自性を出し得意分野を持つ方が、プロジェクトと出資者のマッチングにも有効だとは思います。
そういう意味では今回の決断はかなり意味のあることではと感じています。

ただ手数料の値下げによってプラットフォームからプロジェクト発案者へのサポートなどが手薄になってしまうのではという気もします。
それによって内容が精査されないまま小さなプロジェクトが乱立すると、お金を集めたまま実行しない事例も増えそうな気もするし、結構諸刃の剣的な経営判断な気はします。

ほかのプラットフォーマーも手数料勝負に乗ってしまうと、日本のクラウドファンディング自体が逆に地盤沈下してしまう危険もあるので、そうではなくてそれぞれの個性や強みをもっと発揮する方向で業界全体が盛り上がっていくといいと思います。

宮崎芸術劇場「三文オペラ」上演中止にいて

最初にこのことを知ったのはFBで友人がシェアしていたこの記事でした。

 

www.miyazaki-ac.jp

 

作品内容に対して著作権者との協議が不調に終わり上演ができなくなるというのはごくまれにですがあります。
上演契約を結んだ時点では作品の演出プラン自体は著作権者には提示されていないことが多いので(タイミング的にそこまで内容は決まっていない)、その後提示された演出プランに対して著作権者がNOの意思表示するというパターンです。
なので比較的上演が近づいてから公演中止になることが多いです。

ぼくが個人的に知っている例だと、もう20年ほど前に青山円形劇場で上演予定だったテネシー・ウイリアムスの「欲望という名の電車」が公演中止になったことがあります。

 

この作品は主人公のブランチを現代演劇の女形として活躍する篠井英介さんが演じる予定でした。
しかし実はこの作品には原作者から「女役は女優、男役は男優を必ず配役する」という指定がありそこが問題となって上演許可がおりませんでした。

ぼくの記憶だとたしか上演の一ヶ月くらい前に中止が決定したと思います。

 

この話には後日談があり、なんとかして篠井英介ブランチでの上演を実現したかった関係者は著作権者を訪ねて説得し、女形という日本独特の文化について説明し、また演技を見てもらい、2001年に許諾を得て上演することにこぎつけました。

 

欲望という名の電車 - Wikipedia

篠井英介 - Wikipedia

 

最初のポストを見てからしばらくして、当日劇場を訪れた何人かの方がブログなどで情報発信しているのを見ました。
それによると2/5の公演初日、近いお客さんが普通に入場し開演直前の満席状態で中止が告げられたみたいです。
演出家やディレクターからの事情説明の後、舞台では出演俳優によるパフォーマンスが披露されたそうです。

理由はフルオーケストラによる全楽曲の演奏、脚本の改変禁止などが上演契約に盛り込まれていたということです。

開演直前まで交渉をしていたとのことですが・・やはりこの対応はちょっとどうかと思います。

 

この公演は宮崎だけでなく福島県いわき市横浜市での上演も予定されているのですがそちらの中止の情報は2/6時点ではまだでていないそうです。

 

SNSなどでは「フルオケじゃなくてもいいから上演して欲しかった」などの意見も散見されましたが、契約上の問題なので上演の許諾をとれなかった制作側の責任の方が大きいと思います。

詳細は以下のリンクにまとめられています。

 

宮崎県立芸術劇場「演劇・時空の旅」シリーズ『三文オペラ』が上演契約を満たさず初日開場後に中止! 満席の観客を前に即興パフォーマンスをするも制作側の責任は重い――いわき・横浜公演がどうなるか注目 | fringe watch

 

さて今回の上演中止について、著作権に詳しい弁護士の福井健策さんはこんなツイートをしています。

 

 

上演権についてはこの辺りも参考になりますね。

【上演権・上映権】映画や演劇に深く関わる

 

権利関係については日本では割と軽く見られることも多いですし、海外の著作権利者とのやりとりにあたってのいい事例にもなるので、できれば公演中止までの経緯についてできる範囲で公開してもらえるとうれしいと思います。

 

 

ぼくが帆船を借り切ってイベントをやってみるまで【だんどり編】

今年の8/15に横浜で帆船を借り切ってイベントをやってみました。

peatix.com

 

「こんなことやりたいの〜」と妄想をつい口に出したら、周りの人の協力のおかげで徐々にそれが形になってきてしまいました。
ああ、もうやるしかないのね (笑)

 

kyatatsuking.hatenablog.com

 

 

kyatatsuking.hatenablog.com

 

7/16、友人の紹介で神戸にある帆船みらいへの事務所にとりあえずまとめてみた企画書を持参してうかがいました。

ちなみに2年前の秋に、わたくしこの船のインストラクター募集に応募して落っこちております。
今回の先方の担当者はその時の面接官の方でした。

向こうが覚えているのかどうかもわからないので、その話題は全く口にしませんでしたが。

 

事前に大まかな状況は伝えてあったせいか、話はわりとスムーズに進みました。
このイベント自体がみらいへの事業との相乗効果も期待できるということで、大変よい条件で貸してもらえることになりました。

一時は数十万を自腹でと覚悟していたのですが、その辺りの心配がなくなり、気分的にはかなり楽になりました。

 

また協力などで名前を掲載することの許諾もいただきましたし、告知の協力などもしていただけることに決まりました。

帰り道、ちょうど昼時だったので、近くのホテルのビュッフェで一人祝杯などあげたりして。

f:id:tanaka-B-toshihiko:20150716120600j:plain

 

帰りの新幹線の中でイベントの告知内容をまとめ、自宅に帰ってからその概要をイベントに協力してくれそうなところに流し、本格的な告知サイトを作り始めました。


イベント告知はFBイベントとPeatixというイベントサポートサービスを利用しました。

FBは自分が普段の情報発信に利用していて使い勝手がよかったことと、個人的につながってる人が多いのでここを主戦場にしました。
そしてFBをやっていない人への告知と料金の事前決済に対応するためにPeatixを利用しました。

料金を当日集める形にすると当日のキャンセルが発生するのと、受付業務が煩雑になるのがイヤだったので事前決済を中心にしたいというのがあり、Peatixを使ってみました。

まあ純粋に一度試しに使ってみたかったてのもあったのですが。

また天候などで中止したり時間や内容、集合場所が変更になる可能性が高く、参加者との直接の連絡手段を確保したかったので、Googleフォームを使ってメアドなどの収集もしました。

これも初めて利用したので、フォーム作成には結構時間がかかりました。

ここまでの告知プランは事前になんとなくイメージしていたので、その日の夜には告知できる準備は出来上がりました。

しかし、その時点でぼくが、そのまま勢いで情報公開すると何かをやらかしてしまいそうな妙なテンションだったので、これは一晩寝てからの方がいいと判断しました。

 

翌朝、冷静になったところでもう一度リリース内容を確認してから告知をスタート。

自分のFB、Twitterの他に、自分が所属してしるいろんなFBグループなどにも情報を流してみました。

 

で応募状況なんですが、最初はぼちぼちという感じでした。

集客目標は20人に置いていたのですが、一週間で4,5人。
まあ動きは良くもなく悪くもなくという印象でした。

 

最初の募集の時点では「帆船未経験者」限定にしたのですが、どうしても人が集まらない場合は限定解除して帆船関係の知り合いを読んでブーストすることも考えてました。
それやったら20人は軽くクリアするとも思ってました。

それじゃあイベントを開催する意味はあまりないのですが・・。

 

告知を初めて一週間ほどして、参加者の動きやら、周りからの反応やら、アクセス解析やら見ながらイベント内容を改めて見直していて、なんとなくの違和感を感じました。

 

余談ですがぼくは普段の仕事でもこの「なんとなくの違和感」というのを割と大事にしてます。
そこに物事をステップアップさせる鍵だったり、危険を知らせるアラートだったりが潜んでいたりするからです。

 

イベント内容を改めて何度も読み返して違和感の正体を探ってみました。
そして感じたのは「ワクワクが足りないのでは」というものでした。
それと「このイベントに参加すると何ができるのかよくわからない」というのもありました。

なるほど、その辺りを調整しないと参加へのハードルが高いのでは。
じゃあどうすればいいのか・・。
 ピコーン(☆_☆) そうだ、会場費下がって予算に余裕ができたんだから、ゲストを呼べばいいんじゃないか。

そこからゲスト探しの旅が始まったのです。 

ぼくが帆船を借り切ってイベントをやってみるまで【でっちあげ編】

8/15に横浜で「みらいへ」という帆船の船上でイベントをを開催しました。

 

peatix.com

 

なんの目算もなく突然思い立った頭の中での妄想だったのですが、つい周りの人に口走ってしまったことから物事が動き出してしまいました。
その詳細は【妄想編】をごらんください。

kyatatsuking.hatenablog.com

 

帆船「みらいへ」のクルーの友人に貸切したい意向を伝え、事務所サイドにもろもろの確認をお願いしたのが6月21日、1泊2日の航海の船上でした。

7月に入ってすぐに彼女から連絡がきました。

そこで教えてもらった事務所側の意向はこんな感じでした。


◯日程的に1日の貸切は無理

◯夕方以降なら空いている日があるので利用は可能

◯航海しないのなら料金もかなりお安くできるかも

◯「みらいへ」の今後の事業展開にプラスになるような企画が望ましい

 

さあもう、この時点でやるのかならないのか、本気で決めないといけないタイミングになったわけです。

 

イベントのイメージ(というか妄想)としては、メインターゲットは帆船に乗ったことがない人。人数的には20~30人くらい。
停泊した船上で航海中にやるプログラムのいくつかを体験してもらうというものでした。

 

夕方以降なら時間帯はどこでもいいとはいうものの、明るい時間帯でないとできないプログラムもあるのでイベント開始はなるべく早い時間にしたいとは思っていました。

現実として可能なのは17時スタート。
日没の時間から考えると船上での体を動かすようなプログラムが可能なのは1時間半くらい。
それだけだとボリュームが足りない感じなので、後半に座学的なものを入れてトータルで3時間くらいで、と考えていました。

 

この時、みらいへの事務所からはこの内容で借りられそうな日が複数、提示されていました。

 

本当に貸切でイベントをやるのか、やるならどの日にやるのか。

それを決めるにあたりある友人に連絡してみました。

なんというか、こういうことを面白がってくれそうな友人にでした。

 

これまでの経緯とイベントの内容と日程。

そのあたりを提示した上で、来てみたい?&集客手伝ってくれない?と問いかけてみました。

ほら、一人で全部背負い込むと気分的にキツイし。

 

返事は、ぜひ参加したい&集客もお手伝いしますよ、というものだったのでとりあえずは参加者を一人GET。

そして彼女のスケジュールも含めて調整して開催日を決めました。

 

参加者も確定してしまったのでじゃあやるかということで、やりますという意思表示と希望の日程を返しました。

でその後、事務所の担当の方と直接コンタクトを取り、一度直接会って打ち合わせできればということになりました。

 

・・・事務所は神戸なんですがね。

 

でも、初めてご一緒にプロジェクト立ち上げるので直接あった方がいいとは思いましたので事務所に伺うことにしました。

最初に事務所の担当者の方とコンタクトを取ったのは7月14日だったのですが、決まった打ち合わせ日程は16日でした。

 

 

移動することは嫌いではないのですが、今回は前後のスケジュールの都合でその日の朝移動して日帰りで戻ってくることになってしまいました。

当然、行きも帰りも新幹線です。

 

新幹線つまんない、バスとか在来線とか北陸回りとか奈良経由とかわけのわからんルートで神戸まで行きたいといろいろ考えたのですが、今回だけはどうにもしようがない状況だったのであきらめました。

 

というかそもそも、まだイベントの内容とか企画意図とか妄想しかない状態だったので、それをキチンとまとめないことには打ち合わせになりません。
ということで、1日で打ち合わせの資料をでっち上げることになったのです。

 

ここまで妄想と欲望だけで進んできたのですが、ここで初めて自分の頭の中をまとめる作業になりました。

 

どういうスタンスで自分はイベントを開催するのか。

どんなお客さんに来て欲しいのか。

そして何を体験してもらい、何を持って帰ってもらいたいのか。

 

そもそも何のためにこのイベントをやるのか。

それによって自分がどう変わっていくのか。

 

そんなことを言葉にまとめる作業というのは思いの外難しい作業ではありました。

自分の漠然としたイメージを他人に伝え、なおかつ理解、賛同してもらえるにはどうすればいいのかと時間のない中でかなり悩みました。

まあ先にやっとけばよかっただけの話なんですが・・。

 

ということで、以下は半日ほどででっち上げた打ち合わせ資料からの抜粋です。

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【募集対象】

帆船に乗ったことがない人 20 代後半〜30 代の社会人 男女

※基本的には過去にあこがれ、海星に乗った人は対象外だが、参加者の状況によっては追 加募集する可能性有り

※ 運営スタッフとしてあこかれ、海星関係者が関わる可能性有り

【告知方法】

FB、Twitter などのソーシャルディアが中心。

普段からそういうものに親しんでいる、今社会の中心となっている30 代をメインターゲッ トとする。

主催者が関係のある社会人向けの講座を行っている、東京にしがわ大学、自由大学などの 関係者、講座の参加者をメインに告知を行う。

【企画意図】

「海図を背負った旅人」名義で帆船や海についての情報発信を一年半ほど続けてきて、今 の時点でどのくらい活動が認知されたり興味を持たれているのか確認するために企画。

また帆船に興味を持った人たちから、実際に船に乗ってみたいとの声も聞かれるため。

これまで接点のなかった人たちと帆船が出会う場を提供する。

そうしたこれまで考えらてきた船好き、海好きな人たちへのアプローチや教育的側面 の価値以外に、今の社会の中で帆船の存在価値とは何なのか、またイベントなどとリンク した利用方法を探るきっかけにもしたい。

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まあ書いているうちに自分が漠然と妄想したてのはこんな感じなのかというのも見えてきて、イベントの性格も少しははっきりしてきたかなという気もしました。

なんとなくの箔付けのためににわ大とか自由大学の名前もお借りしたりもしました。

それが役に立つのかどうかもわかりませんでしたが。

 

とにかく、翌朝、ぼくはこの資料を携えて新幹線で神戸に向かったのでした。

ぼくが帆船を借り切ってイベントをやってみるまで【妄想編】

8/15に横浜で「みらいへ」という帆船を借り切ってちょっとしたイベントをやります。

peatix.com

今までにも小規模なイベントはちょこちょこやってきたのですが、これだけのサイズの箱を使ってやるのは初めてです。
巻き込んだ人や関わってもらう人も多いですし、イベントをやることで新しいつながりができたりと面白いことも多がったので、自分の備忘録も兼ねてこのイベントの企画から開催までをブログに残しておこうと考えました。

それでは第一部【妄想編】をお送りします (*´∀`*)

このイベントをやることになったそもそもは今年の一月に遡ります。
3年前の年末年始に自由大学が主催する「自分の本をつくる」という講義を受けました。
なぜ本をつくりたいのか、どういうものを書きたいのか、自分の内面を見直して自分が本当に書きたい本をみつけるという講義でした。

当時、いろんなことにチャレンジして惑い続けているなかで、かなり面白い講義でしたし自分の感覚にもフィットする部分がありました。
とはいえ、その後特に本を書こうという意欲も上がらずなにもないまま3年が過ぎていました。

今年の1月、たまたま時間があったのでその時開催されていた「自分の本をつくる」の最終講義、受講生が自分の作りたい本をプレゼンする回に聴講生として参加させていただきました。
みなさんなかなか熱のこもったプレゼンで、それを聞いているうちに自分もなにかやらないとという気にさせられてしまいました。

「自分の本をつくる」では受講生が自分の文章を発表できる場としてORDINARYというwebマガジンを運営していました。
その後しばらくして講義の教授でありORDINARYの代表でもある深井さんに会う機会があり、その場でつい「ORDINARYに毎月、帆船をテーマにしたエッセイを書かせて下さい」と言ってしまったのです。
深井さんにご快諾いただき、その後毎月一本、これまでの帆船航海の経験を普通の人が読んでも興味を引き、得るものがあるエッセイに落とし込むということを始めたのです。

 

同時期にかつての帆船仲間と「Tall Ship Challenge Nippon」というプロジェクトの立ち上げ準備を始めたこともあり、2015年はぼくの中で帆船について考える時間が圧倒的に長くなっていたのでした。

5月くらいのある日、ふと気づいたのです。
「あれ、よく考えると去年(2014年)、一回も海に出てないんじゃ・・」
そう、帆船についてあれこれ語っているくせに、自分は海に出てなかったのです。

ちょうどその頃、夏の仕事のオファーがぼちぼち来始めていました。
面白そうな仕事や経済的においしい仕事もありました。
でも心のどこかで海に出てないことがものすごく引っかかっていました。
なので8月の仕事は全部断ってみることにしました。

その時点で特に何か予定があったわけではありません。
8月には沼津の帆船Ami が毎年長期航海を計画しているので、ほかに特に予定が立たなかったらそれに乗せてもらおうとなんとなく思っていたくらいでした。
後はオランダのアムステルダムで5年に一度の世界最大級の帆船イベントが開催されるというのもありましたが、予算的には無理だなあとも思っていました。

そして6/1。
自分のFacebookに「帆船貸し切って一日航海したら乗りたい人いますか」という記事を投稿しました。
これどうしてそんなことを言い出したのか自分でも全く覚えていません。

www.facebook.com

 

その前後というのは舞台の仕事がかなり忙しい時期でした。

そしてORDINARYの記事の〆切も重なっていたはずです。
そして知人が住んでいる鹿児島県口永良部島の火山が噴火したりもしてました。
普通に考えたらそんなことを思いつくような余裕はないはずでした。
とはいえ、あくまで【ゆる募】とうたってはいますが、ここから妄想が加速していったわけです。

その投稿では本気で乗りたい人のいいね!が80越えたら貸し切ると宣言していました。
しかし実際のいいね!は60という微妙な数。
夏に「みらいへ」という神戸で活動している帆船が関東に来るのは知ってましたが、果たして貸切が可能なのか、お金はいくらくらいかかるのか、正直なんの情報も持っていませんでした。

その後の妄想。
値段は非常に大ざっぱに30万〜50万と妄想。
50万までなら自分でリスクをとってもいいかなと妄想。
航海する場合定員は30人ほどなので、一人一万円以上は取れないから差額は自己負担と妄想。
この時点では何もかも妄想で、何の目的で貸し切り航海したいのかも謎でした。

さて妄想をFBにアップした一週間後、「みらいへ」のクルーの友人から6月後半に神戸発着の1泊2日クルーズにモニター価格でお安く乗船できるよ♡という案内をもらいました。
たまたま関西に行く用事もあったのでその航海に参加しました。

その航海中、夜中に淡路島沖に錨を下ろしたの船の操舵室で、航海に誘ってくれた友人のクルーに「8月に貸切できそうな日はある?」とうっかり聞いてしまいました。
彼女は船のスケジュールをチェックしてくれましたが、その時点でははっきりしませんでした。
ただ横浜はかなり船のスケジュールが混んでいるので、普通に航海するのは難しそうではありました。

そこで代案として提案してもらったのが、通常の航海の終わった夕方以降、停泊したままの船内でのイベント開催でした。
これだと実現の可能性が高くなるのと、料金的にもかなり安くでいけるのではないかという読みでした。

確かに実際に航海に出たいのはやまやまですが、よく考えると経済的なリスクも高いし、丸一日ということになると、人を集めるのは難しいのも確かです。
しかも船好き、帆船好きではなく、今までそういうものに接点のない人を集めたいと妄想していたので、接岸したままの方がそういう人たちにはハードルが低くなります。

ということで密談の末、一日、もしくは半日の航海での貸切を第一案として、スケジュール的に無理な場合は停泊したままで貸切イベント開催という線で事務の人に話を上げてもらうことに決まりました。

もう後戻りはできなくなりました。
妄想に人を巻き込んでしまったのです。
これスケジュール空いてて、貸切できちゃって、でもイベントやっても誰も来なくて、自腹で何十万か払って一人で貸切航海になったらどうしよう。
いや、ネタ的にはそれもおいしいかも。
とか、航海が終わり下船した後も、妄想は膨らむばかりでした。

フリーランスの働き方

知人のブログでフリーランスの働き方について書いているものがあり、一応フリーランスの端くれてしてメシ食ってる身なんですが、こういう発想もあるんだと興味深く読ませていただきました。

 

 

フリーランスでやっていくコツは「法人顧客」と「収益パターン」に尽きる | 不明研究室


フリーランスといってもピンキリですし、そもそもどうしてフリーランスという働き方を選択したのかも人それぞれなのではと思います。

組織に縛られず自由にやりたいとか、会社にマージンを持っていかれるのがばからしいとか、組織で動くのが苦手とか。

 

ではぼくはというと「あんまりたくさん仕事すると疲れるからやだ〜」というダラダラ派のフリーランスではないかと思っています。
フリーになった最初は、今とは違ってバリバリ派のフリーランスとしてフルパワーで働いていたのですが、数年で電池が切れて仕事への興味すらなくしかけてしまったので、今では楽しく仕事ができるレベルしか仕事しないようにしてます。

 

「楽しく」の中には量だけではなく質や仕事の進め方の問題もあります。
ぼくの場合はフリーになった直後は、このブログでも触れられているような「安定して発注のある法人顧客」もいくつか持っていました。
ホール管理とかその手のやつです。

 

ただそういうのはしがらみとかいろいろあって付き合いがめんどくさい上に仕事の内容そのものが面白くないというのもあり「お金を稼ぐために時間や労力を切り売りしてる感」が強かったんですよね。

 

ということでめんどくさいクライアントとのやりとりが必要な仕事は徐々に縮小し、雇われエンジニア、オペレーターとしての仕事と自分で無理せずにコントロールできて内容的にも面白いと感じられる中、小規模のお芝居を中心としたデザイナー仕事に業務内容をしぼっていく感じでした。

 

最近では雇われの仕事も実は会社発注のものは少なくなっていて、フリーの人から受けるものが半分以上になっています。

会社も大手よりも中小規模のところとの付き合いが多いのですが、そういうスタンスの方が気分的には楽な部分が大きいですね。

 

そしてなぜか最近では一時期少なくなっていたデザインの仕事も増えてきてるんですよね。
デザイン仕事少なくなって、倉庫代とかもバカにならないので機材とか全部手離したんですがね。
なかなか思い通りにはならないもんですなあ。

最近のお仕事

4/3〜7まで照明デザイナー、本番オペレーターとして関わりました、角角ストロガのフ「エイプリル」@吉祥寺シアター無事に幕を降ろしました。

・・・無事に?

お芝居を見るといつも思っているのですが、今回は心の底から「役者ってすごいなあ」と。
まあそれはね、お客さんにはあまり関係のないポイントについてなのかもしれませんが。
今回は珍しく稽古場に長くつけたのですが、あのカオスな稽古場から(あの短い間に)ここまでのクオリティーの作品を造り上げる勢いと集中力。
結構感動ものでした。

いろいろ決まりきらないまま劇場に入り、時間の限られる中で作品に対してどういうアプロチーがいいのか考えていました。
自分のやったことが正解だったのかはいまでも分かりません。
作った明かりについても正直満足はしていません。

ただ主演のいしだ壱成さんには「ステージを重ねるごとにだんだん自分の感覚と照明の変化が重なりあってきて、鳥肌が立つくらい気持ちのいい瞬間も何度かありました」みたたいなことを言っていただきました。
様々な事情から今回は、絵面としての照明の造形的な部分を多少捨てても、舞台上で演じている役者の呼吸や感情や肉体、いわゆるライブ感を重視して明かりをつくっていたので、そこを役者さんにも感じていただけたのであればこれほどうれしいことはありません。

その分、流れを外してしまったと感じる瞬間も普段と比べると多かったですし、オペレーターとしては非常に集中力のいる負担の大きい作品ではありました。
家に帰ると毎晩眠くて仕方なかったです。
初日開けると普通はかなり楽になのですが、今回は千穐楽まで精神的な疲れは半端なかったですね。

演出家の角田ルミさんもとても興味深い人でした。
演出家という生き物は、基本的に変わった人が多いのですが、ぼくがこれまで出会った中でもかなりハイレベルに面白い人でした。

最初の顔合わせの時に「わたし周りの人をすごくイラッとさせるみたいなんですよね〜」とにこやかに語っていた言葉の意味は充分体感しました。
「これまでの照明さんってみんな、場当たりやってると半ギレするんですよね〜」(ぼくはその点冷静に対応してくれましたという褒め言葉なんですが)というお言葉にも「そうですね。半ギレになったみなさんの気持ちはよく分かります」とお返事させていただきました。

そんなもろもろ含めて、もし次回もご縁があれば、試してみたいことやってみたいこともいくつか心に浮かんだりしますし、とても刺激的な公演であったことは間違いありません。
偶然とはいえ関われて本当によかったです。
これからも彼女を観察する機会があるとうれしいですし、一緒に作品作れたらなあとは(いまのところは)思っています。