ミス・インターナショナル2012優勝者の吉松育美氏の報道について思ったこと あるいは パートナー選択の重要性について
ミス・インターナショナル2012優勝者の吉松育美氏が16日に日本外国特派員協会で記者会見を行って、自らに降り掛かった脅迫被害や大手事務所からの圧力などについて語った内容が記事になって公開され話題になってます。
2013/12/16 ミス・インターナショナル2012優勝の吉松育美氏が脅迫被害の実態を告発 大手芸能プロ役員が協賛企業に圧力か | IWJ Independent Web Journal
その多くは芸能界の体質やら、この問題に対して積極的に報道しないマスコミの姿勢やらを問題視しています。
ぼくもそういう業界特有の体質に問題があることに異論はありませんが、一点だけ疑問に感じているのは吉松さんが受賞直後に所属事務所から独立したということです。
ぼくはこういう吉松さんの行動が今回の問題を呼んだ遠因なのではないかとちょっと思ったのです。
彼女のプロフィール見た限りだとモデルとしての活動歴そのものはそこそこ長いけど、これといって有名な仕事をしていたわけでも継続的に活動する場があったわけでもないようです。
国内外でのミスコン受賞歴は結構あるようですが、コンクールに出ることでタレントとしてのステータスを作るというのは前事務所が得意とするブランド戦略みたいです。
「ミスコン」って独特の世界でそれぞれのコンクールごとに評価基準とかが決まっていて、「歩き方」や「立ち方」をはじめ「笑い方」「写真の取られ方」「メイク」などなど立ち居振る舞い一つとってもそのコンテストが要求する世界観にあわせることが求められます。
そのためにそういう内情に通じた各分野のプロスタッフによるコンクール対策というのが欠かせなくなってきます。
考えれば分かると思うのですが、そういうコンクール対策にはそれなりのコストがかかっていて、所属事務所にとっても決して安くはない投資でもあると思います。
彼女と前の事務所との関係について情報がないのでなんともいえませんが、仮にそういう前提に基づくと、優勝してすぐに独立という彼女の行動にも問題があったのではと思うんですよね。
タレントさんってもちろんそれぞれが個人の魅力で勝負する職業ではあるのですが、その一方で活動を裏からサポートしてくれる人の存在が欠かせません。
というか、どれだけ魅力があってもマネジメントする人がダメであれば仕事としてうまく回って行かないということは、これまでにもいろんな例があるので業界について知らない人でもなんとなく分かるのではないでしょうか。
仮にタレントから見たマネジメントする人の評価を大雑把に4つのタイプに分類してみます。
1 有能で信頼できる人
2 能力はいまいちだけど信頼できる人
3 有能だけどいまいち信頼できない人
4 能力がいまいちで信頼もできない人
1のタイプが一番よくて4がダメだと言うのはすぐに分かるとして2と3のタイプの人のどちらを選んだらいいのかがなかなか悩みどころです。
この辺りは人それぞれの考えやその他の要素もあるので一概には言えませんが、ぼくは自分がパートナーとして選ぶのなら断然 2 のタイプの人です。
有能だけど信頼できない人はいつ自分を裏切るか分からない。
そんな人を自分のパートナーには選べないと思います。
とは言え、実際には自分にあったパートナーやマネージャーや事務所に出会えるかというのは偶然の要素もあってなかなか難しいです。
一見信頼が置けそうだったり有能そうでもいざ仕事をしてみると問題が出てくることも多いですから。
彼女と前の事務所との関係性や契約形態がどういうものなのか分からないのであれですが、事務所を辞めて独立したということはサポートする人がいなくなったということですし、違う言い方をすれば彼女という「利権」は空き家同然になったということです。
そのタイミングで前述の「3」のカテゴリーに属する人が言葉は悪いですが「吉松育美という利権」を手に入れようと動いたのはある意味でとても分かりやすい行動です。
ここで彼女サイドにキチンとした人がついていればもっとうまくその要求をかわす、もしくはうまい落としどころを探るということができたのかもしれませんが、報道で見る限り彼女の代理人的な立場の人は「4」の実力も信頼もいまいちな人なのではないかと思えてしまいます。
今回の騒動を見ていて、業界内部の問題をこんな風にオープンにしてしまうことへの違和感もぼくは感じます。
「ミス・インターナショナル優勝者」という大きな肩書きはあるものの、それ以外の魅力というものが認知されていない彼女がこういう行動をとり、仮に正しさが証明されたとしても、仕事の上で彼女が得るものは少な過ぎると思います。
(もっとも彼女はタレントとしての活動を続けつもりがないという報道もありますが)
この辺りからも彼女の業界内での味方の少なさとか振る舞い方のまずさを象徴してる気もしなくはないです。
それはつまり彼女が軽く見られてるということに他なりませんし、マスコミがスルーするのも単に大手事務所に遠慮してるからだけではないんじゃないかとも思います。